金融庁、窓販保険料の手数料にメス [経済全般]
以前、
「銀行保険窓販 とうとうブラックボックスに手が…」というタイトルで
銀行が扱う保険の手数料について書きましたが、
金融庁がとうとう本格的に調査に乗り出していることがわかりました。
おそらく9月に示す金融行政方針で
顧客の利益を毀損しないように求めることになりそうです。
外貨建ての一時払い保険は
マイナス金利の今の時代、
見た目は高いリターンが得られる商品です。
しかし…
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さて、きょうは銀行の保険窓販について。
銀行の窓口で販売している貯蓄性の高い保険商品のことです。
一時払い終身保険
つまり一度に全額を払いこむことで
月払いや年払いより保険料を抑えることができます。
また、相続税対策にもなるため人気なんですね。
この保険商品の手数料を
大手銀行が年内にも開示することになりそうです。
手数料がなぜ問題かというと
〝いくらか〟という点がはっきりせず、
高額の手数料がかかっている懸念があるためです。
ブラックボックスであるのをいいことに
あえて手数料の高い商品を提案することが考えられるというのが
購入者(契約者)保護の観点からまずいというロジックですね。
保険会社は自分たちで売るより他社、
つまり銀行の窓口で販売してもらった方が低コストで手っ取り早い。
しかも、窓口に来る客は退職金だ相続だで
まとまったお金を手にしている人が少なくなく、
潜在的なニーズがあります。
そんな客が「資産を有効利用したいけどどうしたらいいか?」と相談すると
「金利の高い(外貨建て)保険がありますよ」というのが大まかな流れです。
投資信託は2〜3%の手数料で、これは開示されています。
金融庁の調べでは外貨建て保険の手数料は7%前後。
銀行にとっては保険会社から
相対的に高い保険料が入っているためおいしいビジネスです。
銀行は本業の融資業務が先細っているため、
フィー(手数料)ビジネスに力を入れています。
九州の地銀も投信や保険の販売に力を入れ、
手数料の確保を大きな目標に掲げています。
それが収益に直結するからです。
福岡証券取引所の決算発表でも
フィービジネスとアパート向け融資が2つの大きな柱になっていることを
銀行の頭取自ら語っていましたね。
大手銀行が手数料を開示すれば
その流れは地銀にも波及するでしょう。
手数料の開示は手数料引き下げの流れを生み出すでしょう。
そうなれば銀行の収益の柱の一つが細ることになります。
労多く益が少なくなれば
銀行が保険販売にあまり力を入れなくなるかもしれません。
金の卵(高手数料)を産まなくなった鶏(保険窓販)でも、
普通の卵(低手数料)でも産んでくれるのであれば
銀行は大切にするのでしょうね。
人口減少やマイナス金利という経営環境の厳しさが
容易に鶏を放り出すことを許さないのではないかと思います。
九州でも経営規模の小さな銀行には
大きな痛手になるのではないかと思っています。
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